性教育

性教育とは

自分の体を大切にすることや、性暴力に対する正しい認識を身につけることで、子どもが性暴力の被害者や加害者、そして傍観者になることを防いでいこうという教育プログラムになります。

「性教育」はイコール「セックスの話」ではなく、体の仕組みを学ぶ健康教育であり、性のトラブルから身を守る安全教育でもあり、人との関わり方を考える人権教育です。

「性教育=性行動教育」ではない

性教育が何かと聞かれ、多くの人が「性行動(セックス)について話すものだ」と思われています。性教育は、自分の体が持つ権利の話や、自分とパートナーの間でどんなコミュニケーションを取るかという人間関係の話、世の中にある価値観や文化の話まで含まれ、幅広い内容を取り扱うものです。根本にあるのは、『あなたの体と、あなたの人生はあなたのもので、それを決める権利はあなたにしかないんだよ』『一人ひとりの人間が、この世の中で同じように大切にされて生きる権利があるんだよ』という人権に関わること。人権というと難しく聞こえますが、この人権への理解が、すべてのコミュニケーションにとって必要な意識、価値観だと思います。

性教育が必要な理由は?

日本の性教育は学校指導要領に基づいて行われ、中学校では受精・妊娠までを学びますが、妊娠に至る過程や経過については小中学校で取り扱わないことになっています。そのため、妊娠する行為や避妊の正しい知識を学ぶことができず、先輩や同級生、あるいはインターネットなどを通して得た知識が、本当に正しいのかわからないままに、性行為を行ったことで望まない妊娠をすることがあります。

無防備なセックスは妊娠だけでなく、性感染症のリスクも高めることになります。だからこそ、妊娠の仕組みと正しい避妊法を知り、自分の体の知識、性感染症の知識をきちんと身に付けることにより、望まぬ妊娠や性感染症を防ぐことができるのです。

家庭においても親世代がきちんと性教育を受けていないため、親子で性の話をすることに抵抗をもっている人が少なくありません。

「性」について勉強することは、「大切なこと」だという認識は、基本的人権を理解する上でも重要です。

性暴力の被害者も加害者も生まないためにも性教育の充実が求められます。

今の時代に必要な性教育とは?!前編 今の時代に必要な性教育とは?!後編